手袋むかしばなし | ||||
神話の時代から手袋は人々のおもいをつづってきました。あなたの中での手袋はどんな思い出になるのでしょうか? | ||||
神話の中のビーナスと手袋 | 手袋は愛情のしるし | |||
“ある日美少年のアドニスと遊んでいたビーナス(美と恋の女神)は、 黒イチゴの茂みをくぐり抜けようとして誤って、イバラのトゲで手を 傷つけてしまいました。 流れた血は美しいバラになりました。その時グレース(優雅の女神) がビーナスのために手を守る花のおおいを考えました…。 ” それが神話の世界での手袋の始まり。 史実では、紀元前4世紀頃、ギリシャの歴史家がペルシャの風俗を 書いた本の中に、5本の指がわかれるようになった手袋の話が でています。 |
中世の騎士たちは、女性にもらった手袋を愛情のしるしとして、 カブトや帽子に入れて大切にしていました。 また、眠っている間に女性に唇を盗まれたら、その男性は女性に 手袋を贈るという変わった風習も。 こんなロマンティックな手袋、プレゼントにピッタリなのでは…。 |
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ツタンカーメン王も手袋愛好者? | 豪華絢爛!戴冠式の手袋 | |||
あの古代エジプトの少年王・ツタンカーメンの墓が発掘された時、 ひときわ人々の気を引いたのが、半ば黒ずんだ麻製の手袋。 きっと王の愛用品だったため、遺品として不釣り合いにもかかわらず 一緒に埋葬されたのでしょう。 この麻手袋、現在ではエジプトのカイロ博物館に収められています。 |
1220年頃、フリードリヒ2世がシチリア王の戴冠式に用いた、 赤い縫製の手袋。 甲の部分には真珠、ルビー、サファイアを用いた刺繍が施され、 掌には、金糸で鷲の刺繍という素晴らしさ……。(ウィーン美術史美) |
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討ち入りの手袋? | ||||
忠臣蔵でおなじみ。赤穂浪士47人のひとり、あの大石蔵主税が 使っていた「手袋」。 元禄15年(1702年)12月14日の雪の夜もひょっとして、この「手袋」を つけていたのかも知れません。(泉岳寺 所蔵) |
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